はじめに
「今の職場を辞めて、もっと条件のいい施設で働きたい」
介護職として働いていると、一度は転職を考えることがあるのではないでしょうか。
求人サイトを見てみると、
「月給28万円以上!」
「年間休日120日!」
「残業ほぼなし!」
「未経験歓迎!」
など、魅力的な言葉がたくさん並んでいます。
しかし、求人票に書かれている数字だけを見て転職先を決めてしまうと、
「思っていた条件と違った」
「給料は高いと思っていたのに、実際には手当込みだった」
「ボーナスが少ない」
と後悔することがあります。
特に介護職の求人で注意してほしいのが、基本給と各種手当の内訳です。
今回は、介護職が転職で失敗しないために、求人票でチェックしてほしい10項目を紹介します。
1.基本給はいくらなのか?
最初に確認してほしいのが「基本給」です。
例えば求人票に、
月給25万円~30万円
と書かれていたとします。
一見すると、かなり良い給与に感じます。
しかし内訳を見てみると、
- 基本給:16万円
- 資格手当:1万円
- 処遇改善関連手当:3万円
- 夜勤手当:4万円
- その他手当:1万円
ということもあります。
合計すると25万円です。
しかし、基本給は16万円です。
ここを見落としてはいけません。
基本給が低いと、賞与や昇給などに影響する可能性があります。
「月給25万円」という数字だけを見るのではなく、
「基本給はいくらですか?」
と確認することが重要です。
2.ボーナスは何か月分なのか?
次に確認したいのが賞与です。
求人票に「賞与あり」と書いてあるだけでは不十分です。
例えば、
賞与年2回・計4か月分
と書いてあったとしても、何を基準に4か月なのか確認しましょう。
仮に基本給が16万円で賞与4か月分なら、
16万円×4か月=64万円
です。
一方、基本給20万円で4か月なら、
20万円×4か月=80万円。
同じ「賞与4か月」でも、年間16万円の差が出ます。
だからこそ、求人票では基本給と賞与をセットで見ることが大切です。
3.夜勤手当と夜勤回数
介護職では夜勤手当も給与を大きく左右します。
例えば、
「夜勤1回8,000円」
と書いてあったとします。
月5回夜勤に入れば4万円。
月3回なら2万4,000円です。
つまり、求人票に書かれている月給に夜勤手当が含まれている場合、夜勤回数によって実際の給与が変わります。
確認したいのは、
- 夜勤手当はいくらか
- 月何回程度なのか
- 夜勤手当は月給に含まれているのか
- 夜勤専従の勤務はあるのか
などです。
「月給○万円」の数字だけで判断しないようにしましょう。
4.処遇改善関連の手当はいくらなのか?
介護職の求人では、処遇改善に関連する手当が給与に含まれていることがあります。
例えば、
基本給16万円+処遇改善関連手当3万円
なら、月給の時点で19万円になります。
しかし、手当の支給方法や金額は事業所によって異なります。
「毎月固定なのか?」
「条件によって変わるのか?」
「賞与の算定対象になるのか?」
などを確認しておくと安心です。
5.年間休日は何日あるのか?
「週休2日制」と書かれていても、年間休日が何日なのか確認しましょう。
介護職はシフト勤務なので、土日祝日が必ず休みとは限りません。
年間休日だけでなく、
- 希望休は何日取れるのか
- 有給休暇は取得しやすいか
- 夏季休暇はあるか
- 年末年始休暇はあるか
なども確認しておきましょう。
給与が高くても休みが少なければ、長く働くことが難しくなる可能性があります。
6.残業は本当に少ないのか?
「残業ほぼなし」
という求人を見ると魅力的ですよね。
しかし、介護職の場合は、定時になったからといって必ず仕事が終わるとは限りません。
記録、申し送り、利用者さんの対応などで、定時を過ぎることがあります。
確認するなら、
「月平均の残業時間は何時間ですか?」
と具体的に聞いてみましょう。
「ほとんどありません」という答えだけで判断しないことが大切です。
7.人員配置はどうなっているのか?
介護職にとって非常に重要なのが、職員の人数です。
給与が良くても、人手不足で毎日忙しければ長続きしません。
確認したいのは、
- 日中の職員数
- 夜勤の職員数
- 利用者数
- 看護師の配置
- リーダーや管理者の人数
などです。
特に施設の場合、日中の人員配置はしっかり確認したいポイントです。
「夜勤は意外と落ち着いているけれど、日中が本当に大変」という施設もあります。
求人票だけでは分からないため、施設見学の際に聞いてみるといいでしょう。
8.離職率や職員の定着状況
人間関係を重視するなら、職員が長く働いているかどうかも重要です。
求人を出しているということは、人手が足りない可能性もあります。
もちろん、新規事業や増員による求人もあります。
しかし、常に求人が出ている施設の場合は、
「なぜ募集を続けているのか?」
という視点も必要です。
面接や施設見学で、
「職員の平均勤続年数はどのくらいですか?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
9.仕事内容を細かく確認する
「介護業務全般」
という一言だけでは、仕事内容が分かりません。
入浴介助が多いのか。
夜勤があるのか。
レクリエーション担当があるのか。
送迎業務があるのか。
記録業務はどのくらいあるのか。
委員会活動や行事担当があるのか。
自分が想像していた仕事内容と実際の仕事内容が違うと、入職後に後悔することになります。
できるだけ具体的に確認しましょう。
10.「月給」ではなく年間収入で考える
最後に、一番大切なのがこれです。
求人を比較するときは、月給だけではなく、年間でいくらもらえるのかを考えましょう。
例えば、
A施設
基本給16万円
手当9万円
月給25万円
賞与4か月
B施設
基本給20万円
手当5万円
月給25万円
賞与2か月
どちらも月給は25万円です。
しかし、賞与だけを見ると、
A施設:16万円×4=64万円
B施設:20万円×2=40万円
となります。
単純計算では、A施設のほうが賞与は24万円多くなります。
このように、「月給が同じだから待遇も同じ」とは限りません。
さらに、昇給や退職金、各種手当なども含めて比較する必要があります。
求人票だけでは分からないことも多い
ここまで10項目を紹介しましたが、求人票だけですべてを判断するのは難しいでしょう。
だからこそ、可能であれば施設見学をおすすめします。
施設に入った瞬間の雰囲気。
職員の挨拶。
利用者さんへの接し方。
職員同士の会話。
忙しそうなのか、余裕があるのか。
こうした部分は、求人票からは分かりません。
特に人間関係を重視する人は、施設見学をして自分の目で確認することが大切です。
まとめ|求人票は「月給」だけを見ない
介護職の転職では、求人票の一番目立つ「月給○万円」という数字だけを見てはいけません。
今回の10項目を振り返ってみましょう。
- 基本給はいくらなのか
- ボーナスは何か月分なのか
- 夜勤手当と夜勤回数
- 処遇改善関連の手当
- 年間休日
- 残業時間
- 人員配置
- 離職率・定着状況
- 仕事内容
- 年間収入
特に今回伝えたいのは、
「月給25万円」でも基本給16万円という求人がある
ということです。
手当を含めれば月給は高く見えます。
しかし、基本給が低ければ、賞与や昇給などに影響する可能性があります。
だからこそ、
「月給はいくら?」
だけではなく、
「基本給はいくら?」
まで見るようにしましょう。
そして、給与だけでなく、休日、人員配置、人間関係、仕事内容まで含めて、自分に合った職場を選ぶことが大切です。
転職は、「今の職場から逃げる」ためだけのものではありません。
今より自分らしく、長く働ける職場を探すためのチャンスでもあります。
介護リアル脱出ノートでは、介護職が転職で失敗しないために、求人票だけでは分からない「現場のリアル」についても、これから発信していきます。
焦って決めず、求人票を細かくチェックして、できれば施設を自分の目で見てから決めましょう。

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