はじめに
介護職として転職するとき、
「特養と有料老人ホームは何が違うの?」
「グループホームってどんな施設?」
「老健は病院みたいなところ?」
と疑問に思ったことはありませんか?
同じ「介護施設」でも、利用者さんの状態や仕事内容、夜勤、職員配置、求められる介護技術などは大きく違います。
そして、介護職が転職先を選ぶときに、ぜひ確認してほしいのが給与の内訳と処遇改善加算の支給方法です。
「月給○万円」という数字だけを比較するのではなく、
基本給はいくらなのか?
夜勤手当はいくらなのか?
処遇改善加算はどう支給されているのか?
まで確認することが重要です。
今回は、特養・有料老人ホーム・グループホーム・老健の違いを紹介しながら、最後に処遇改善加算のチェックポイントについても解説します。
1.特別養護老人ホーム(特養)
特養は、正式には「介護老人福祉施設」と呼ばれます。
原則として要介護3以上の方を対象とし、日常生活で常に介護が必要な方を支える施設です。
特養の特徴は、介護度が高い利用者さんが多いことです。
食事、排泄、入浴、移乗など、身体介護を行う機会も多くなります。
また、看取り介護を行っている施設もあります。
特養で働くメリット
- 介護技術を身につけやすい
- 重度の利用者さんへの対応を経験できる
- 認知症ケアを学べる
- 看取り介護を経験できる
- 長期的に利用者さんと関われる
一方で、身体的な負担が大きくなる場合があります。
特に、日中の人員配置と業務量は施設選びの重要なポイントです。
2.有料老人ホーム
有料老人ホームは、民間企業や社会福祉法人など、さまざまな法人が運営しています。
施設によって特徴がかなり違うのが有料老人ホームです。
「介護付き」「住宅型」などがあり、利用者さんの介護度も施設によって異なります。
高級志向の施設もあれば、比較的リーズナブルな施設もあります。
そのため、
「有料老人ホームだからこういう仕事」
と一括りにはできません。
有料老人ホームのメリット
- 施設によっては接遇を重視している
- レクリエーションなどに力を入れている施設もある
- 利用者さんの生活を重視した介護を経験できる
- 施設によってさまざまな働き方がある
逆に、施設によって仕事内容や職場環境の差が大きいので、必ず施設見学をすることをおすすめします。
3.グループホーム
グループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る施設です。
一般的な施設介護とは少し考え方が違います。
「何でも介助する」のではなく、
利用者さんができることを一緒に行う
という考え方が重要になります。
例えば、
- 食事作り
- 掃除
- 洗濯
- 買い物
- 園芸
- 散歩
など、日常生活そのものが介護につながります。
グループホームのメリット
- 認知症ケアを深く学べる
- 少人数の利用者さんとじっくり関われる
- 家庭的な雰囲気で働ける
- 生活支援の経験が身につく
一方で、認知症の方への対応力が求められます。
「身体介護だけをしたい」という人より、利用者さんの生活そのものを支えたい人に向いているでしょう。
4.介護老人保健施設(老健)
老健は「介護老人保健施設」の略です。
病院を退院したものの、すぐに自宅へ戻ることが難しい人などが利用し、在宅復帰を目指す施設という特徴があります。
特養が「生活を長期的に支える施設」というイメージなら、老健は、
「自宅へ戻るためのリハビリや生活支援を行う施設」
というイメージです。
そのため、
- 医師
- 看護師
- 介護職
- リハビリ職
- 管理栄養士
- ケアマネジャー
など、多職種との連携が特に重要になります。
老健のメリット
- 医療・リハビリについて学べる
- 多職種連携を経験できる
- 介護技術だけでなく在宅復帰支援を学べる
- 幅広い知識が身につく
「介護だけではなく、医療やリハビリも勉強したい」という人には向いているでしょう。
特養・有料・グループホーム・老健を比較すると?
簡単に比較すると、次のようになります。
| 施設 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 特養 | 重度者の生活を支える | 介護技術を磨きたい |
| 有料 | 施設によって特徴が大きく違う | 自分に合う施設を選びたい |
| グループホーム | 認知症・少人数・家庭的 | 認知症ケアを学びたい |
| 老健 | 在宅復帰・リハビリ | 多職種連携を学びたい |
ただし、これはあくまで一般的な特徴です。
同じ特養でも、施設によって雰囲気や給与、仕事内容は大きく違います。
だからこそ、施設選びでは施設の種類だけで判断しないことが重要です。
そして重要なのが「処遇改善加算」
ここからが、介護職が転職するときにぜひ確認してほしいポイントです。
現在の「介護職員等処遇改善加算」は、事業所が受け取った加算額に相当する賃金改善を行う仕組みです。対象となる賃金改善には、基本給、手当、賞与などが含まれます。厚生労働省は、安定的な処遇改善の観点から基本給による改善が望ましいとしています。
つまり、求人票を見るときには、
「処遇改善加算あり」
という一言だけで判断してはいけません。
処遇改善加算の支給方法は施設によって違う
実際の賃金改善の方法としては、
①毎月の給与に上乗せ
例えば、
基本給16万円
資格手当1万円
処遇改善関連手当3万円
夜勤手当4万円
というように、毎月の給与に反映されるケースです。
毎月の収入が安定するというメリットがあります。
②賞与・一時金として支給
処遇改善分の一部を、ボーナスや一時金として支給する方法もあります。
例えば、
「処遇改善一時金として年2回支給」
というケースです。
この場合、毎月の給与はそれほど高くなくても、賞与時にまとまった金額が入ることがあります。
③毎月の給与+一時金
毎月の手当に上乗せしながら、年度末などに一時金として支給する方法もあります。
厚生労働省の資料でも、賃金改善は基本給・手当・賞与などを対象に実施できる仕組みとなっています。
そのため、求人を比較するときには、
「処遇改善加算は毎月ですか?賞与ですか?一時金ですか?」
と聞いてみることをおすすめします。
「事業所が売上の一部にしている」はどうなの?
ここは非常に注意しておきたい部分です。
介護職からすると、
「処遇改善加算を取っているのに、給料が思ったほど増えていない」
と感じることがあります。
しかし、制度上、事業者は加算の算定額に相当する賃金改善を実施する必要があります。単純に「事業所の利益として自由に使えるお金」というものではありません。
したがって、
「処遇改善加算を会社の売上としてそのまま利益にしている」
という説明は、制度の趣旨とは異なります。
一方で、職員からすると、
「処遇改善加算が給与のどこに反映されているのか分からない」
ということは問題です。
だからこそ、事業所側には職員への説明と透明性が求められます。
実はここが今回の記事で表沙汰にしたい最たる部分となります。
国から支給が保証されている手当が不公平な現実がある事。
特に派遣職員への処遇改善加算手当はかなりグレーゾーン
同じ介護の現場で働きながら契約の違いだけでこれはおかしな事です。
今後も介護リアル脱出ノートでは様々な企業、法人に問い合わせて追及をしていきます!
転職面接で必ず聞いてほしい質問
介護施設へ転職するなら、ぜひ次の質問をしてください。
「処遇改善加算は、給与のどの部分に反映されていますか?」
さらに、
「毎月の手当ですか?」
「賞与・一時金ですか?」
「基本給への反映はありますか?」
「昨年度はどのような形で支給されましたか?」
と聞いてみましょう。
これだけでも、求人票では分からない給与の実態がかなり見えてきます。
月給だけを比較してはいけない
例えば、
A施設
基本給16万円
処遇改善手当3万円
夜勤手当4万円
その他手当2万円
→月給25万円
B施設
基本給20万円
処遇改善手当1万円
夜勤手当3万円
その他手当1万円
→月給25万円
どちらも月給25万円です。
しかし、基本給は4万円違います。
賞与が基本給を基準にするなら、年間収入にも差が出る可能性があります。
だからこそ、
月給→基本給→手当→夜勤→賞与→処遇改善
という順番で確認していきましょう。
介護職はどれだけ低賃金なのか?! 今だから伝えられるメッセージ
まとめ|施設の種類より「中身」を見よう
特養、有料老人ホーム、グループホーム、老健。
それぞれ特徴が違います。
特養
→重度の利用者さんへの介護を経験したい人
有料老人ホーム
→施設ごとの特徴を比較して働きたい人
グループホーム
→認知症ケアや生活支援を学びたい人
老健
→リハビリや在宅復帰、多職種連携を学びたい人
というように、自分の希望に合った施設を選ぶことが大切です。
しかし、もう一つ重要なのが、
「その施設では介護職の給与をどのように考えているのか?」
ということです。
特に処遇改善加算については、
- 毎月の給与に上乗せされるのか
- 基本給に反映されるのか
- 賞与・一時金として支給されるのか
- どのようなルールで配分されているのか
を確認しましょう。
処遇改善加算は、事業所が受け取ったらそのまま自由に利益にできるものではなく、加算額に相当する賃金改善を行うことが求められています。
だからこそ、
「処遇改善加算あり」
という求人広告の一言だけで安心してはいけません。
「実際に私の給料にはどう反映されるのですか?」
ここまで聞いてみることが大切です。
転職で大切なのは、施設の名前や種類だけではありません。
給与・人間関係・人員配置・仕事内容・多職種連携・処遇改善の支給方法。
これらを総合的に見て、自分が長く働ける施設を選びましょう。
「介護リアル脱出ノート」では、求人票の表面だけでは分からない、**介護職が実際に働いてから後悔しないための「現場のリアル」**をこれからも発信していきます。

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