介護職の残業は多い?定時で帰れない7つの原因と対策|ユニット型の現実も現役介護士が解説

「介護職って残業が多い……」

「定時で帰りたいのに、いつも帰れない」

「今日も欠勤者が出て、残業になった」

「ユニット型だから仕方ないと言われるけど、本当にそうなの?」

介護の仕事をしていると、こんな悩みを抱えることがあります。

介護現場では、利用者さんの急な体調変化、転倒などの事故対応、記録、申し送り、ご家族への対応、会議、委員会など、予定外の業務が発生します。

そのため、どうしても定時までに仕事が終わらない日があります。

しかし、私は介護保険制度が始まる前から介護の現場に携わってきた経験から、

「介護職だから残業が多い」と決めつけるのは違う

と感じています。

なぜなら、同じ介護職でも、

  • 定時で帰れる施設
  • 毎日のように残業する施設
  • 欠勤者が出ると残業になる施設
  • サービス残業が問題になっている施設
  • 職員同士で助け合える施設

など、職場によって働き方が大きく違うからです。

特に最近の介護現場で考えたいのが、ユニット型特有の人員配置と欠勤者が出たときのフォロー問題です。

「少人数で家庭的な介護」というユニット型の考え方は大切です。

一方で、欠勤者が出たときに別の職員が残業して穴を埋めなければならない状況が続けば、職員の負担は大きくなります。

これは、単純に「職員がもっと頑張ればいい」という問題ではありません。

欠勤が出ても残業に頼らず現場を回せる介護施設を作ることができれば、介護業界そのものが変革の機会を迎えられるのではないでしょうか。

この記事では、

  • 介護職の残業が多い原因
  • 定時で帰れない理由
  • ユニット型介護の残業問題
  • 欠勤者が出たときのフォロー問題
  • 介護職の残業を減らす方法
  • 残業が少ない職場の見分け方
  • 転職前に確認すべきポイント

について、現役介護士の視点から解説します。

「介護職の残業がきつい」

「定時で帰れる介護施設で働きたい」

「今の職場を辞めたい」

そんな方に読んでほしい記事です。


介護職は本当に残業が多い?

結論から言えば、

介護職だから必ず残業が多いわけではありません。

残業の多さは、施設の種類だけで決まるものでもありません。

大きく影響するのは、

  • 職員数
  • 人員配置
  • 欠勤時の対応
  • 業務量
  • 記録方法
  • 申し送り方法
  • 会議や委員会の数
  • 管理職の考え方
  • 職場の風土

などです。

例えば同じ特別養護老人ホームでも、残業がほとんどない施設もあれば、毎日のように定時で帰れない施設もあります。

つまり、

「どの施設で働くか」

は非常に重要です。


介護職が定時で帰れない7つの原因

1.慢性的な人手不足

介護職の残業問題を考えるとき、避けて通れないのが人手不足です。

職員が足りなければ、一人ひとりの仕事量が増えます。

その結果、

「勤務時間内に終わらない」

↓

「定時を過ぎても仕事をする」

↓

「残業が当たり前になる」

という悪循環が生まれます。

特に怖いのは、これが一時的ではなく、慢性的になっているケースです。


2.欠勤者が出ると残った職員に負担が集中する

介護現場では、急な欠勤が発生することがあります。

職員が一人休む。

すると、

「誰が穴を埋めるのか?」

という問題が発生します。

人員に余裕がない施設では、残った職員が早出・残業・休日出勤などで対応することがあります。

もちろん利用者さんの安全を守るために必要な対応もあります。

しかし、

「誰かが休むたびに、誰かが残業して穴を埋める」

という仕組みが続けば、職員は疲弊してしまいます。


3.ユニット型特有の「欠勤フォロー問題」

ここは、ユニット型の介護現場で働く人には特に考えてほしい部分です。

ユニット型では、少人数の職員で一定数の利用者さんを担当するため、職員同士の連携が重要になります。

その一方で、

一人欠けたときの影響が大きくなる

という側面があります。

例えば、通常なら複数の職員で担当する時間帯に欠勤者が出た場合、

「今日は人が足りないから、誰か残ってください」

となることがあります。

結果として、日勤者が定時で帰れず、残業によって欠勤分を補うことになります。

もちろん、すべてのユニット型施設に当てはまるわけではありません。

しかし、現場によっては、

「少人数で効率的に介護をする」という仕組みが、欠勤時には「少人数だからこそ一人の欠勤の影響が大きい」という弱点にもなります。

ここを改善することは、これからの介護業界にとって非常に重要だと思います。

欠勤者が出るたびに残業するのではなく、

  • 応援職員を確保する
  • 複数ユニット間で柔軟に応援できる仕組みを作る
  • ICTを活用する
  • 業務を見直す
  • 必要な時間帯に人員を配置する
  • 「残業ありき」のシフトを見直す

など、施設側が仕組みとして対応できれば、職員の負担は大きく変わります。

欠勤者が出ても残業に頼らず現場を回せる施設が増えれば、介護職の働き方は大きく変わる可能性があります。

そして、それを実現できる施設が増えていけば、

介護業界は大きな変革の機会を迎えられるのではないでしょうか。

「介護職は人手不足だから残業は仕方ない」という発想から、

「人手不足でも残業を増やさずに回せる仕組みを作る」

という発想への転換が必要だと思います。


4.記録業務が勤務時間内に終わらない

介護職の残業原因として多いのが記録です。

利用者さんのケアを優先していると、

「記録を書く時間がない」

ということがあります。

そして勤務終了間際にまとめて記録を書く。

これだけでかなりの時間を使ってしまいます。

記録が残業の原因になっている場合は、

  • 記録方法
  • 記録するタイミング
  • タブレットなどICTの活用
  • 二重記録
  • 不要な記録

などを施設全体で見直す必要があります。


5.申し送り・会議・委員会が多い

介護職には通常業務以外にも、

  • 申し送り
  • ケース会議
  • 委員会
  • 研修
  • 勉強会
  • 行事
  • カンファレンス

などがあります。

これらが勤務時間内に収まらなければ、残業につながります。

特に、

「会議のために残業する」

という状態が頻繁に発生している場合は、業務そのものを見直す必要があります。


6.「みんな残っているから帰れない」という職場風土

実際の介護現場では、仕事量だけでなく空気も問題になります。

「まだ先輩がいる」

「自分だけ帰りにくい」

「新人だから最後まで残らないといけない」

そんな雰囲気があると、定時で仕事が終わっていても帰れません。

しかし、

定時で帰ることは悪いことではありません。

勤務時間内に仕事を終わらせることも、プロとして大切なことです。


7.仕事を家に持ち込んでしまう

介護職の残業を考えるとき、見落としてはいけないのが「心の残業」です。

家に帰ってから、

「明日の勤務どうしよう」

「あの利用者さん大丈夫かな」

「今日、○○さんに言われたことが気になる」

と考え続けていませんか?

勤務時間は終わっているのに、頭の中では仕事が続いています。

さらに職場の職員とLINEなどで仕事の話を続けていると、プライベートまで職場になってしまいます。

職場の人間関係まで自宅に持ち帰ってしまうと、勤務時間が終わっても心が休まりません。

「職場の人間関係がつらい」「職員同士の付き合いに疲れた」と感じている方は、こちらの記事も参考にしてください。

👉「介護職の人間関係がつらいときの7つの対処法」

家は仕事をする場所ではなく、自分が休む場所です。

できるだけ仕事とプライベートの境界線を作りましょう。


介護職の残業を減らす7つの方法

1.記録を最後にまとめない

できる範囲で、勤務中に少しずつ記録を進めます。

ただし、現場が忙しすぎて記録する時間そのものがないのであれば、それは個人の努力だけでは解決できません。

「記録が終わらない」という結果だけではなく、

「なぜ記録する時間がないのか」

まで考えることが重要です。


2.仕事の優先順位を決める

すべてを同時にやろうとすると、仕事が終わらなくなります。

基本的には、

  1. 利用者さんの安全
  2. 緊急性の高い業務
  3. その日のうちに必要な業務
  4. 情報共有
  5. 後日に回せる業務

というように整理してみましょう。


3.一人で抱え込まない

「自分がやらなければ」と思いすぎないことも大切です。

介護はチームで行う仕事です。

忙しいときは、

「この業務をお願いできますか?」

と早めに声をかけましょう。


4.福祉用具・ICTを活用する

スライディングボード、スライディングシート、介護リフトなど、適切な福祉用具を使うことで身体的負担を軽減できる場合があります。

また、

  • タブレット記録
  • インカム
  • ICTによる情報共有
  • 見守り機器

など、介護現場のICT化も業務効率化につながる可能性があります。

「昔からこの方法だから」ではなく、

「もっと効率よくできないか」

という視点を持つことが大切です。


5.欠勤者が出たときの仕組みを作る

これは個人的な努力ではなく、施設側の問題です。

「誰かが休んだら誰かが残業する」

という仕組みではなく、

「誰かが休んでも残業を増やさずに対応できる仕組み」

を作る必要があります。

例えば、

  • 応援スタッフの登録制度
  • ユニット間の応援体制
  • 多能工化
  • 柔軟なシフト
  • 短時間勤務者の活用
  • 派遣・スポット人材の活用
  • 業務の優先順位化

などが考えられます。

介護業界の未来を考えるなら、この部分は非常に重要です。


6.定時で帰ることを悪いと思わない

定時で帰ることは、仕事をサボることではありません。

勤務時間内に必要な業務を終えたのであれば、帰ることは当然の権利です。

もちろん、利用者さんの急変などで帰れない場合もあります。

しかし、

「何となく帰りづらいから残る」

という残業は、できるだけ減らしたいものです。


7.仕事を家に持ち帰らない

仕事が終わったら、仕事から離れる。

これを意識してください。

特に、

  • 職場のLINE
  • 職員同士の個人的な連絡
  • 仕事の愚痴
  • 翌日の仕事の心配

などを自宅まで持ち込まないことが大切です。

必要な業務連絡まで拒否する必要はありません。

ただ、

勤務時間外まで常に職場とつながっている必要はありません。

家に帰ったら、自分の生活を取り戻しましょう。

もし、仕事が終わっても介護のことが頭から離れず、「もう限界かもしれない」と感じているなら、単なる疲れではなく、かなりストレスが蓄積している可能性があります。

そんな方は、無理を続ける前にこちらの記事も読んでみてください。

👉「介護職のストレスが限界になる前に読んでほしい7つの対処法」


「職場の人間関係」まで家に持ち込まない

介護職の人間関係に疲れている人ほど、ここは意識してほしい部分です。

職場で嫌なことがあった。

帰宅しても考える。

LINEを見返す。

休日にも職員のことを考える。

これでは身体だけ自宅に帰っていても、心は職場に残ったままです。

職場は職場。

プライベートはプライベート。

この境界線を作ることは、介護職を長く続けるうえでも大切です。

人間関係で悩んでいる方は、

「介護職の人間関係がつらい…もう辞めたいと思ったときの7つの対処法」

も参考にしてください。


残業が多い介護施設を見分けるには?

転職を考えているなら、求人票だけではなく、面接や施設見学で残業について確認しましょう。

例えば、

「月の平均残業時間はどのくらいですか?」

「定時で帰る職員はどのくらいいますか?」

「急な欠勤者が出た場合は、どのように対応していますか?」

「残業が発生した場合はどのように申請しますか?」

「記録は勤務時間内に行えますか?」

「ユニット間の応援体制はありますか?」

といった質問です。

特に、

「欠勤者が出たとき、誰が穴を埋めるのか?」

は聞いておきたいポイントです。

求人票だけでは分からないのが、実際の職場の雰囲気や職員配置、欠勤者が出たときの対応です。

だからこそ、転職前には可能であれば施設見学をして、現場の様子を自分の目で確認することをおすすめします。

「どこを見ればいいのか分からない」という方は、こちらの記事も参考にしてください。

👉「介護施設の見学で確認しておきたいポイント15選|現役介護士が教えるチェック方法」

ここへの回答から、施設の人員体制や考え方が見えてくることがあります。


「残業が少ない職場」を探すなら給与だけを見ない

介護職の転職では、給与に目が行きがちです。

しかし、

給与が高い=働きやすい職場

とは限りません。

転職先を探すときは、給与だけではなく、残業時間や休日、手当、賞与、勤務時間なども確認することが大切です。

求人票の数字だけを見て「条件が良さそう」と判断してしまうと、入職してから「思っていた職場と違った」と後悔する可能性があります。

転職を考えている方は、応募する前にこちらの記事も確認しておいてください。

👉「介護職の転職で失敗しない求人票の見方|チェックすべき10項目」

確認したいのは、

  • 基本給
  • 手当
  • 賞与
  • 昇給
  • 残業時間
  • 休日数
  • 有給休暇
  • 夜勤回数
  • 人員配置
  • 業務内容
  • 欠勤時のフォロー体制
  • 職場の雰囲気

などです。

特に給与だけではなく、

「この職場で長く働けるか?」

という視点で求人を見ることをおすすめします。


それでも残業が減らないなら、転職を考えてもいい

自分なりに努力しても、

  • 毎日のように残業がある
  • 欠勤者が出ると必ず残業になる
  • サービス残業がある
  • 定時で帰ると嫌な顔をされる
  • 人手不足が長期間改善されない
  • 仕事を家に持ち帰ることが当たり前
  • 休日にも職場から連絡が来る

という状態が続いているのであれば、

職場を変えるという選択肢もあります。

もし、残業だけではなく、人手不足や人間関係、職場の雰囲気まで含めて「もう今の職場では続けられない」と感じているのであれば、一度立ち止まって考えてみてもいいかもしれません。

👉「介護職を辞めたいと思ったときに、まず読んでほしい記事」

では、介護職を辞めたいと思ったときに、すぐ退職を決めるのではなく、今の状況を整理するための考え方について詳しく解説しています。

介護職は、同じ資格・経験でも、働く施設によって仕事内容や勤務環境が大きく変わります。

だからこそ、

「介護職を辞める」

だけではなく、

「今の職場を辞める」

という選択肢も考えてみてください。

「介護職そのものは嫌いではない。でも今の職場はつらい」

という人は、転職によって働き方が変わる可能性があります。


介護職の残業問題を変えるのは「個人の頑張り」だけではない

ここまで読んで、

「結局、自分がもっと頑張ればいいのかな」

と思わないでください。

介護職の残業問題は、個人の努力だけで解決できないケースがあります。

人員配置。

欠勤時の対応。

業務量。

記録。

会議。

ICT。

施設の管理体制。

これらを含めて考える必要があります。

特に、

「欠勤者が出たら残業して補う」

という仕組みを当たり前にしないこと。

そしてもうひとつ声を大にして追加するのが、

役職に就いているから残業は当たり前!

という周囲の感覚と空気感。

これは施設を管理している側に考えて欲しい部分です。

役職手当、みなし残業手当をもらっている等で残業が当たり前となっている傾向があります。

ここは是正ポイントの最重要!!

上司が残業しているから帰りづらい空気感を出さない事が重要なのです。

これらを変えることが、これからの介護業界には必要だと思います。

介護職員が疲れ果てることでしか現場を維持できないのであれば、その仕組み自体を見直さなければなりません。

介護を必要とする人が増えていく中で、介護職員が長く働き続けられる環境を作ることは、利用者さんを守ることにもつながります。


まとめ|介護職だから残業が当たり前ではない

介護職は、利用者さんの急変、記録、申し送り、人手不足、欠勤者のフォローなどによって、残業が発生しやすい仕事です。

しかし、

「介護職だから残業が当たり前」

ではありません。

残業を減らすためには、

  • 記録方法を見直す
  • 優先順位をつける
  • 一人で仕事を抱え込まない
  • 福祉用具やICTを活用する
  • 欠勤時の応援体制を作る
  • 定時で帰ることを悪いと思わない
  • 仕事を家に持ち込まない

といった取り組みが必要です。

そして、特にユニット型では、

「欠勤者が出たら残った職員が残業して穴を埋める」

という状況を当たり前にしないことが重要です。

欠勤者が出ても残業に頼らず現場を回せる施設が増えれば、介護職の働き方は大きく変わるでしょう。

それは単なる「残業削減」ではありません。

介護業界そのものを変えるきっかけになる可能性があります。

そして私たち介護職自身も、

「利用者さんを大切にすること」と「自分自身の生活を大切にすること」は両立していい

ということを忘れてはいけないと思います。

仕事が終わったら、仕事から離れる。

家に帰ったら、自分の時間を過ごす。

休日は、自分の人生を楽しむ。

それも、介護職を長く続けるために必要なことです。

「介護職を続けたい。でも今の働き方はつらい」

そう感じているなら、無理を続けるだけではなく、働き方そのものを見直してみてください。


介護リアル脱出ノートから

このブログでは、現役介護士として長年介護現場で働いてきた経験をもとに、

「介護職を辞めたい」

「人間関係がつらい」

「給料が安い」

「夜勤がきつい」

「今の施設で働き続けていいのか分からない」

そんな介護職の悩みについて、現場のリアルな視点から発信しています。

介護の仕事そのものが嫌いなわけではない。

ただ、

今の働き方がつらい。

そんな方にとって、このブログがこれからの働き方を考えるきっかけになればと思っています。

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