「介護職を辞めたい……」
「もう限界なのに、なぜか辞められない」
「仕事に行くことを考えるだけで、しんどい……」
そんな気持ちを抱えながら、今日も出勤していませんか?
介護の仕事は、人の生活や人生を支える大切な仕事です。
利用者さんから「ありがとう」と言ってもらえたり、できなかったことができるようになった瞬間に立ち会えたりすると、大きなやりがいを感じることもあります。
しかし、現場で働いていると、
- 慢性的な人手不足
- 夜勤による生活リズムの乱れ
- 身体的な負担
- 認知症やBPSDへの対応
- 利用者さんや家族への対応
- 職場の人間関係
- 終わらない業務
- サービス残業
- 給料や待遇への不満
など、さまざまな負担が積み重なります。
そして、責任感が強い人ほど、
「自分が辞めたら職場が困る」
「利用者さんを置いていけない」
「もう少し頑張らなければ」
と、自分を後回しにしてしまいます。
でも、覚えておいてください。
職場の人手不足や人員配置の問題まで、あなた一人が背負う必要はありません。
この記事では、現役介護士として働いてきた経験をもとに、
- なぜ介護職は辞めたいのに辞められないのか
- 介護職の「もう限界」のサイン
- 利用者さんを理由に辞められないときの考え方
- 退職する前にできること
- 転職する場合に確認したいポイント
について整理します。
「介護職を辞めたいけど、どうしたらいいのか分からない」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 介護職を辞めたいのに辞められない7つの理由
- 「介護職を辞めたい」と思ったときに出ている限界のサイン
- 「利用者さんのために辞められない」は、本当に自分を犠牲にする必要があるのか
- 介護職を辞めても、これまでの経験が無駄になるわけではない
- いきなり退職する前にやっておきたい4つのこと
- 転職するなら、求人票のここを確認してほしい
- 転職先を選ぶなら「何を変えたいのか」を明確にする
- 介護施設によって働き方は大きく違う
- 「逃げる」のではなく「環境を変える」という考え方
- 「介護職を辞めるか迷っている」なら、まず選択肢を増やそう
- 介護職を辞めたいと思ったら、まず自分の状態を確認しよう
- まとめ|介護職を辞めたいと思ったら、一度立ち止まっていい
介護職を辞めたいのに辞められない7つの理由
介護職を辞めたいと思っているのに、実際には退職できない。
そこには、単純に「仕事が嫌だから」というだけではない事情があります。
1.生活のために収入が必要
まず大きいのが、お金の問題です。
仕事を辞めれば、その瞬間から収入がなくなる可能性があります。
家賃、住宅ローン、食費、光熱費、子どもの教育費など、生活にはお金が必要です。
そのため、
「辞めたいけど、生活できなくなる」
という不安から、限界を感じながら働き続けてしまう人もいます。
しかし、
「今の職場を辞めること」と「働くことを辞めること」は別です。
転職先を探しながら退職準備をするという方法もあります。
2.人手不足だから自分が辞めたら困る
介護現場では、人手不足によって一人ひとりの負担が大きくなっている職場があります。
そのため、
「自分が辞めたら夜勤が回らない」
「他の職員に迷惑をかける」
「残された職員が大変になる」
と考えてしまいます。
しかし、職員が一人辞めたことで現場が回らなくなる責任まで、退職する本人が背負う必要はありません。
人員配置や採用、勤務体制を考えるのは、基本的には事業所側の仕事です。
あなたが限界まで我慢することでしか成り立たない職場なら、その状態そのものを考える必要があります。
3.利用者さんを置いて辞められない
介護職なら、この気持ちは理解できるのではないでしょうか。
毎日関わってきた利用者さん。
一緒に笑ったり、悩んだり、生活を支えてきた時間があります。
だからこそ、
「自分が辞めたら利用者さんがかわいそう」
「担当している利用者さんを置いていけない」
と思ってしまいます。
その気持ちは、利用者さんを大切にしてきたからこそ生まれるものです。
ただし、
利用者さんを大切にすることと、自分自身を犠牲にすることは同じではありません。
あなたが心身ともに限界になってしまえば、長く介護を続けること自体が難しくなります。
4.「介護しかできない」と思っている
長く介護業界で働いていると、
「自分には介護しかない」
「今さら他の仕事なんてできない」
と考えてしまうことがあります。
しかし、本当にそうでしょうか。
介護職では、
- コミュニケーション能力
- 観察力
- 状況判断力
- チームワーク
- 家族対応
- スケジュール管理
- 報告・連絡・相談
- 相手に合わせた対応力
- 責任感
など、多くの能力を使っています。
「介護しかできない」のではありません。
介護職を辞めた後にどんな仕事があるのか知りたい方は、介護経験を活かせる仕事についてこちらの記事で紹介しています。
介護の仕事を通して、さまざまな仕事に活かせる経験を積んできた
と考えることもできます。
5.転職しても同じことになりそうで怖い
これは非常に大きな不安です。
「今の職場が嫌だから辞めたい」
と思って転職したのに、
「前の職場のほうが良かった……」
となったらどうしよう。
そう考えると、退職そのものが怖くなります。
実際、介護施設といっても、
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- グループホーム
- 老人保健施設
- デイサービス
- 訪問介護
など、仕事内容や勤務体制は大きく異なります。
だからこそ、転職では「介護施設ならどこでもいい」と考えないことが大切です。
自分が何につらさを感じているのかを明確にしてから求人を見る。
これだけでも、転職先を選ぶ視点が変わってきます。
6.家族や周囲から反対されそう
「せっかく続けてきたのにもったいない」
「介護職なら仕事はいくらでもあるでしょう」
「辞めないほうがいいんじゃない?」
家族や周囲から、そんな言葉をかけられることもあります。
しかし、実際に毎日職場へ行き、仕事をしているのはあなたです。
もちろん家族の意見を聞くことは大切です。
ただし、自分の生活や心身の状態まで無視して、周囲の期待だけで働き続ける必要はありません。
7.退職する勇気が出ない
最後は、とてもシンプルな理由です。
「辞めたいけど、怖い」
これです。
退職届を出す瞬間。
上司に退職を伝える瞬間。
職場の人に知られる瞬間。
その後の生活。
考えれば考えるほど、不安になります。
だからこそ、
「明日辞める」
と考える必要はありません。
まずは、
「辞めるという選択肢もある」
と考えるところから始めてみてください。
「介護職を辞めたい」と思ったときに出ている限界のサイン
「まだ頑張れる」
「自分より大変な人もいる」
そうやって我慢していませんか?
自分では「まだ大丈夫」と思っていても、実は限界が近づいているかもしれません。介護職を辞めるべきサインについて、7つに整理しました。
👉「介護職を辞めるべきサイン7選|もう限界と思ったら読んでほしい」
介護職で働いていて、次のような状態が続いているなら、一度立ち止まって考えてみてください。
- 朝起きると仕事に行きたくない
- 出勤前になると強い不安を感じる
- 休日でも仕事のことが頭から離れない
- 夜勤後の疲労がなかなか取れない
- 利用者さんに優しく接する余裕がなくなった
- 以前よりイライラすることが増えた
- 睡眠や食欲に変化がある
- 趣味を楽しめなくなった
- 職場に行くことを考えるだけで苦しくなる
- 「もう全部投げ出したい」と感じることがある
これらがあるからといって、必ず退職しなければならないという意味ではありません。
しかし、
「まだ頑張れるか」だけではなく、「これ以上無理をして大丈夫なのか」
という視点も必要です。
「仕事に行くのがつらい」「イライラが止まらない」など、介護職のストレスが限界に近づいていると感じる方は、具体的な対処法も確認してみてください。
👉「介護職のストレスが限界…心が壊れる前に試してほしい7つの対処法」
心身の不調が強い場合や、日常生活に支障が出ている場合は、一人で抱え込まず、医療機関や公的な相談窓口、信頼できる人などに相談することも大切です。
「利用者さんのために辞められない」は、本当に自分を犠牲にする必要があるのか
介護職を辞められない理由として、
「利用者さんを置いていけない」
という気持ちは非常に大きいと思います。
「この利用者さんは自分を頼ってくれている」
「自分が辞めたら寂しがる」
「最後まで責任を持つべきではないか」
そう考えるのは自然なことです。
でも、介護は一人の職員だけで提供するものではありません。
チームで支える仕事です。
あなたが退職した後も、職場には別の職員がいます。
もちろん引き継ぎなど、必要なことをきちんと行うことは大切です。
しかし、
「自分が辞めたら利用者さんが困る」=「自分は辞めてはいけない」
ではありません。
あなたがこれまで利用者さんに向き合ってきた時間や経験まで、退職によって消えてしまうわけではありません。
介護職を辞めても、これまでの経験が無駄になるわけではない
介護職を辞めることを考えたとき、
「これまで何年も介護をしてきたのに、全部無駄になるのでは?」
と思う人もいるでしょう。
しかし、そんなことはありません。
介護の現場では、
人を見る力
相手の変化に気づく力
相手に合わせてコミュニケーションを取る力
他職種と連携する力
責任を持って仕事をする力
など、多くの経験を積みます。
これらは転職後にも活かせる可能性があります。
そして、介護業界の中でも施設を変えるだけで働き方が変わることがあります。
「介護を辞める」だけではなく、
「今の職場を辞める」
という選択肢も考えてみてください。
いきなり退職する前にやっておきたい4つのこと
「もう限界だから明日にでも辞めたい」
そう思うこともあるでしょう。
ただ、生活面などを考えると、可能であれば準備をしてから動く方法もあります。
1.今の職場で何が一番つらいのか整理する
まず紙やスマートフォンに書き出してみましょう。
例えば、
- 人間関係
- 夜勤
- 給料
- 人手不足
- 残業
- 身体的負担
- 休みが少ない
- 上司との関係
- 利用者対応
などです。
「介護職が嫌なのか」
それとも、
「今の職場が嫌なのか」
を分けて考えることが重要です。
2.求人を眺めてみる
転職を決めなくても構いません。
求人を見るだけでも、
「こんな施設があるんだ」
「今より給料が高い求人もある」
「夜勤なしの仕事もある」
など、現在の職場以外の選択肢が見えてきます。
選択肢を知るだけでも、「ここしかない」という気持ちが少し変わることがあります。
「まだ転職すると決めていない」という段階でも、まずは働きやすい職場の条件を知っておくことは大切です。介護職で働きやすい職場の見つけ方はこちらで解説しています。
👉「介護職で働きやすい職場の見つけ方|後悔しない転職・就職のポイント7選」
3.今の職場で改善できることを考える
退職だけが解決策とは限りません。
例えば、
- 夜勤回数を減らせないか相談する
- 部署異動を希望する
- 勤務時間を変更できないか相談する
- 有給休暇を取得する
- 業務負担について上司に相談する
など、職場によっては改善できる可能性があります。
ただし、相談しても改善されない場合や、相談すること自体が難しい環境なら、転職を含めて別の選択肢を考えることも必要です。
4.「退職」と「転職」を分けて考える
ここは非常に重要です。
退職=無職
ではありません。
「今の職場を辞める」
と、
「仕事を辞める」
は別です。
転職先を探してから退職するという方法もあります。
転職するなら、求人票のここを確認してほしい
介護職の転職で失敗を避けるためには、求人票を給与だけで判断しないことが大切です。
「給料が高いから」という理由だけで転職先を決めるのは危険です。基本給・手当・賞与・休日・夜勤回数など、求人票で確認したいポイントを詳しく解説しています。
👉「介護職の転職で失敗しない『求人票』の見方|チェックすべきポイント」
確認したいのは、
- 基本給
- 夜勤手当
- 資格手当
- 処遇改善関連の手当
- 賞与
- 昇給
- 年間休日
- 有給休暇
- 夜勤回数
- 残業時間
- 固定残業代の有無
- 試用期間
- 雇用契約期間
- 正社員・契約社員などの雇用形態
などです。
「月給○万円」と書いてあっても、その内訳を確認しなければ、現在の職場と比較できません。
転職先を選ぶなら「何を変えたいのか」を明確にする
転職で大切なのは、
「とにかく今の職場を辞めたい」
だけで求人を決めないことです。
例えば、
「人間関係がつらい」
なら、職場の雰囲気や職員同士の関係を見る。
「夜勤がつらい」
なら、夜勤回数や夜勤なしの求人を探す。
「給料が不満」
なら、基本給・手当・賞与などを確認する。
「身体的にきつい」
なら、利用者の介護度や夜勤体制、職員配置などを確認する。
このように、
今の職場で何がつらいのか→次の職場で何を変えたいのか
をつなげて考えることが大切です。
転職先選びで後悔したくない方は、介護施設の見学で確認しておきたいポイントもチェックしておきましょう。
👉「介護施設の見学で見るべきポイント15選|現役介護士が教えるチェック方法」
介護施設によって働き方は大きく違う
同じ介護職でも、働く場所によって仕事内容は変わります。
例えば、
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- グループホーム
- 老人保健施設
- デイサービス
- 訪問介護
などがあります。
「介護職を辞めたい」と思っていても、施設を変えるだけで働き方が合うようになるケースもあります。特養・有料・グループホーム・老健の違いを比較してみてください。
「介護職そのものを辞めたい」と思っていても、実は現在の施設の働き方が合っていないだけという可能性もあります。
「逃げる」のではなく「環境を変える」という考え方
介護職を辞めようとすると、
「逃げるみたいで嫌だ」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、環境を変えることと、逃げることを同じにする必要はありません。
今の職場で心身ともに負担が大きいのであれば、
- 別の介護施設へ転職する
- 訪問介護へ移る
- デイサービスへ移る
- 派遣という働き方を検討する
- 介護経験を活かして別の仕事を探す
- 資格取得などを通じて働き方を変える
など、さまざまな選択肢があります。
大切なのは、
「介護を続けるか、完全に辞めるか」の二択にしないことです。
「介護職を辞めるか迷っている」なら、まず選択肢を増やそう
今の職場しか知らない状態では、
「ここを辞めたら終わり」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、求人を見る。
他の施設を調べる。
転職経験者の話を聞く。
転職サービスの情報を見る。
職場見学をする。
これだけでも、見える景色は変わります。
辞めると決断する前に、
「自分には他にも選択肢がある」
という状態を作っておくことが大切です。
介護職を辞めたいと思ったら、まず自分の状態を確認しよう
ここまで読んで、
「やっぱり自分は限界なのかもしれない」
と思った人もいるかもしれません。
そんなときは、次の3つを考えてみてください。
「何が一番つらいのか?」
人間関係なのか。
夜勤なのか。
給料なのか。
人手不足なのか。
身体的な負担なのか。
「改善できる可能性はあるのか?」
上司への相談や部署異動、勤務変更などで改善できるのか。
それとも、職場そのものを変えたほうがいいのか。
「もし今の職場を辞めたら、どんな働き方をしたいのか?」
同じ介護を続けるのか。
施設を変えるのか。
訪問介護にするのか。
派遣にするのか。
介護経験を活かして別の仕事にするのか。
ここまで考えると、少しずつ自分の進みたい方向が見えてきます。
まとめ|介護職を辞めたいと思ったら、一度立ち止まっていい
介護職を辞めたいと思うことは、甘えではありません。
人手不足、夜勤、身体的負担、人間関係、給与、業務量など、さまざまな負担が重なれば、誰でも「もう限界」と感じることがあります。
そして、
「辞めたい=介護そのものを辞めなければならない」
というわけでもありません。
今の職場を変える。
施設を変える。
働き方を変える。
介護経験を活かして別の仕事へ進む。
あるいは、介護とは違う仕事に挑戦する。
さまざまな選択肢があります。
大切なのは、
「今の職場でこれ以上無理をするしかない」
と思い込まないことです。
あなたが人手不足を解決する必要はありません。
職場を維持するために、自分自身を壊す必要もありません。
利用者さんを大切にすることも大切です。
でも、
あなた自身の生活や人生も同じように大切です。
もし今、
「介護職を辞めたい」
「もう限界かもしれない」
と思っているなら、まずは一度立ち止まってみてください。
すぐに退職を決めなくてもいい。
求人を見るだけでもいい。
誰かに相談してもいい。
職場を変えることを考えてもいい。
そして、必要であれば「辞める」という選択肢を持ってもいいのです。
あなたがこれまで介護の仕事で積み重ねてきた経験は、決して無駄ではありません。
「介護リアル脱出ノート」では、介護職として悩んでいる人が、自分に合った働き方や生き方を考えるための記事をこれからも発信していきます。
一人で抱え込まず、あなた自身の人生についても考えてみてください。

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